『アイヌと神々の物語~炉端で聞いたウウェペケレ~』萱野茂(ヤマケイ文庫)

アイヌの昔話

『アイヌと神々の物語~炉端で聞いたウウェペケレ~』【ヤマケイ文庫】

著者:萱野 茂
発行元:山と渓谷社(ヤマケイ文庫)
発行日:2020年4月5日初版
サイズ:文庫判・544ページ
定価:1,100円(2020年・税別)
38話収録/日本語訳
カバーイラスト:千海博美

1988年5月刊行『カムイユカラと昔話』(小学館)から「昔話」を抄録し、改題のうえ文庫化。
昭和35年以降、著者がアイヌのエカシ(おじいさん)、フチ(おばあさん)たちから採録し、和訳したもの。
主に北海道南西部・日高地方の平取町(びらとりちょう)で採録。
各話に物語の背景や民具の解説がつく。民具の図版入り。
前書きに、著者によるアイヌ昔話について解説「アイヌと神々の世界」を収録。
文庫化にあたり、中川裕(千葉大学文学部教授、『ゴールデンカムイ』アイヌ語監修を務めるアイヌ語研究者)による解説を巻頭に収録。

▽萱野 茂(かやの・しげる/1926-2006)
アイヌ文化研究者。
北海道沙流郡平平取町二風谷生まれ。アイヌ語を母語とする祖母に育てられた。
小学校卒業後は出稼ぎをしていたが、研究者や収集家による民具の持ち去りに心を痛め、1953年ごろからアイヌ民具の収集・保存・復元・編集に取り組む。1960年ごろからアイヌ語の記録に着手。アイヌの昔話などの録音収集を始める。
1972年、二風谷アイヌ文化資料館(現・萱野茂二風谷アイヌ資料館)を設立、館長を務める。
1994年8月から98年7月までの4年間、参議院議員を務める(比例選挙で落選したが任期途中で名簿順位が上の議員が亡くなったため繰り上げ当選)。アイヌ民族初の国会議員となる。アイヌ文化振興法の成立などに尽力する。

ヤマケイ文庫 アイヌと神々の物語~炉端で聞いたウウェペケレ~ | 山と溪谷社
出版社商品紹介

>著者が祖母や村のフチから聞き集めたアイヌと神々の38の物語が読みやすく情感豊かな文章で綴られる。すべての話にわかりやすい解説が添えられ、アイヌの文化や習俗、世界観をたっぷり味わえる一冊。アイヌ文学名著の文庫化。

>アイヌ語研究の第一人者である故・萱野茂氏(第32回菊池寛賞受賞)が残した知られざる名著『カムイユカラと昔話』(1988年刊・小学館)から、昔話(ウウェペケレ)を初めて抄録・文庫化。

>著者は、幼い頃から毎日、祖母のてかってさんにウウェペケレを聞いて育った。
>本書は、祖母や村のフチ(おばあさん)から聞き集めたアイヌと神々の38の物語が、読みやすく情感豊かな文章で綴られる。
>著者による冒頭解説「アイヌと神々の世界」では、著者の子どもの頃の記憶から当時のアイヌの生活をうかがい知ることができ、
>ウウェペケレやカムイユカラといったアイヌの口承文芸についてもわかりやすく解説されている。

>さらに、38の話すべてにわかりやすい解説が添えられ、アイヌの文化や習俗を知る意味でも面白く貴重な一冊。
>文庫化にあたり、『ゴールデンカムイ』のアイヌ語監修を務める研究者・中川裕氏による寄稿を収録。

▽収録内容(目次)
・アイヌの世界観あふれるドラマチックな物語(中川裕)
・アイヌと神々の世界(萱野茂)

〈神々と人間の昔話〉
身代わりの美女/怪鳥とくすり水/クマと狂ったサル
カラスと赤ん坊/子どもと遊んだ神/村おさは化け物
犬は聞こえた/鬼の岩屋/氷の井戸/ヘビの血
二羽のカラス/私は十三人兄弟の末っ子/羽毛の海/黒ギツネのイナウ/
三本足の大グマ/私の名はイクレスイェ/狩小屋でクモ神が夢を
スズメの恩返し/人食いじいさんと私/クマ神の横恋慕/消えたちんちん/
着物の片袖/カツラの木の女神/魔法の小袖
エゾマツの女神/からっぽやみの女/恋路のじゃま/
乱の群れ/リスと平原の化け物/七人目の婿/四つ爪のクマ/
キキンニの女/女のたしなみ/妻が私に筋子をかけた
〈川下の者と川上の者の昔話〉パナンペとペナンぺ/パナンペと小鳥
〈和人の昔話〉打ち出の小づち
〈言伝え〉国造りの神とフクロウ

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